オフショア用ロッドを作ってみよう!(制作編その3)

手間と時間のかかる塗装工程がやっと終わりましたので、組み立て工程に着手します。

工程は次のとおり

  1. グリップ、リールシート組立て
  2. バットジョイントハンドルパート(インナーパイプ)組立て
  3. バットエンド組立て
  4. バットジョイント部分のこみ調整と補強
  5. ガイドラッピングとトップガイド取り付け

では、行ってみましょう!

1.グリップ、リールシート組立て

リールシート内径とバット外径の差分はリールシート内径に合わせたカーボンパイプとアーパーテープで調整します。

これがアーパーテープ。伸びがなくて粘着力が強く、張り重ねてもずれにくいのが特徴。接着剤の足付けも良い素材です。

ハンドルブランクに等間隔に巻き重ねてカーボンパイプがガタつかずにスッポリ入るようにします。

ロッドの全長はカーボンパイプの差し込み量で調整します。リールシート位置もその差し込み量で決まってしまいますのでリアグリップの固定位置も参考にしながら、がたつくことのない様に複数個所にアーパーテープを巻いていきます。

仮組みを重ねて位置合わせを完璧に行ったうえで、リールシート、中間リング、リアグリップをカーボンパイプに二液性エポキシ接着剤で固定します。リールシートはブランクタッチタイプなので、露出部分以外のパイプ表面を軽くサンディングして足付けを良くしてから接着していきます。

ここでフロントグリップも調整しておきます。構成上、先に組み込んでおかないとジョイント部分の補強ができないためです。

フードナット一体型のグリップとなるため、長さと穴径を調整します。

接着後に前端部にワインディングチェックが付きます。

2.バットジョイントハンドルパート組立て

リールシートとリアグリップが固定されたカーボンパイプとハンドルパートをエポキシで接着し、その前方に内径をハンドルパート外形に合わせたリップスティック型ワインディングチェックを固定、フードナットを組付け、フロントグリップにワインディングチェックを接着します。

リアグリップにも後方からワインディングチェックを接着します。

ハンドル部分はこのような構成になります。

3.バットエンド組立て

バットエンドはシンプルなEVAショート砲弾型に。アクセントに12角アルミリングを挟んで、エンドキャップはバランサーを挟んでねじ込み式にできるようブランク側にメスねじの切られた六角棒をアーパーテープで直径調整したうえで接着します。バットエンド前部にはワインディングチェックを接着します。

4.バットジョイント部分のこみ調整と補強

印籠継部分はすり合わせ調整を行った後、ハンドルパート側をスレッド巻きして補強します。同時にデザイン的な飾りとワインディングチェックの固定を兼ねて数か所スレッド巻きし、エポキシ樹脂でラッピングします。

ジョイント部分の補強は必須。継部分の割れを防ぐことができます。
ここはデザイン的なアクセントですが、実はフードナットの脱落防止にも一役買ってます。
リアグリップエンドのワインディングチェックはスレッドラッピングの樹脂を少しかぶせることで引っ掛かりがなくなり、海水の侵入を防ぐことができます。
バットエンドに治具を指してフィニッシングモーターにチャッキング

5.ガイドラッピングとトップガイド取り付け

まずはガイド取付位置を仮組にて調整します。ラインを通して曲げこんだときにラインがブランクと接しないように配慮します。

今回チョイスしているのはFuji工業https://www.fujitackle.com/のLRVシリーズのセット。ヘビーソルトルアーベイトタックル用です。

トルザイトリングは薄肉なのでガイドが小型化できるメリットもあります。

Fuji工業の推奨ガイドピッチを参考に、実際にラインを通して曲げ試験の上フィックスします。

スレッディングの画像はないのですが。。。

ラッピングしていきます。

トップガイドを接着します。トップガイドはセットには含まれていないので別調達。T-KGTT6F-2.8、フランジタイプのアロワナトップガイドです。

これでほぼ完成です。

完成状態は実釣→魂入れ編でお見せします!

オフショア用ロッドを作ってみよう!(活用編その1)

作成は完了したものの、実釣計画はまだまだ先の話になりそうです。なんせ船に乗らなきゃ使えない代物ですし。

ひとまず実釣をイメージした場合に気になるのは、仕上がりのロッド重量です。

制作に利用したコンポーネントは、すべてにおいて軽量化にも配慮して可能な限り軽い物をチョイスしたつもりですし、この部分での達成度を確認しておきたいものです。

同一番手(Line負荷=40lb)、同程度のレングス(Length=5’9”)の量販品は、一般的なもので以下のようなレベルです。

製品番手(適合Line)重量(g)
Shimano
OCEA Jigger ∞
B63-4(MAX3)146
DAIWA
SALTIGA R
J62B-3(MAX3)160
Yamaga Blanks
Galahad
623B(MAX3)188
気持ち長めで柔らかいものが主流のようです。

軽量リールシートとオールチタンフレームトルザイトリングガイド、EVA素材も必要最小限にとどめている為、軽量化はかなり進んでいるはずとの期待を込めて、いざ重量計測!!

若干重めですねえ。。。

比較対象のロッドはすべてワンピースですし、スローアクションの柔らかい細身のロッドとはちょっと趣が違い、ファストテーパーなブランクスは結構肉厚ですし。

ロッドのパワーはかなりありそうなので、魚を浮き上がらせる能力は高そうですが、その分食い込みの良し悪しとシャクり続けたときの体への負担が気がかりです。

まあとにかく、まずは使ってみてどうか、魚をかけてからどうかを考えることにしましょう。

自作のロッドはドラグ締めるのちょっと怖いけど。。。。

新作ルアーを入手!戦闘準備完了!

とあるネット記事で新興ルアーブランドがモニター募集していることを知り、ちょっと気が向いて応募してみました。

ちょっと最近、いつもの魚をいつものタックルで狙う釣りに疑問を感じ始めていたところに降って沸いた話。応募先のメーカーは西日本に拠点のある「Aquawave」ってところで、きっと北海道の釣りなんて、サンプルほとんどないだろうからきっと興味を示してくれるんじゃないかな、と思った次第。

応募からメールを数回やり取りし、数点ある条件に同意したうえでサンプルアイテムを送っていただけることになりました。

ウェイト、シルエットともに北海道の対象魚には若干小さめかな?とも思いますが、普通じゃないことをしてみよう、がコンセプトですので、これらで何ができるのか?を検証していこうと思います。スピンブレード付きのスモールシルエットジグなんて、ソイとかどうよ、な感じ。

ディッピングで表面コートして、いざ出陣準備完了です。

40歳台から始める釣りと仕事の勘所