冬眠中はロッドビルディングに精をだす(塗装編)

物の調達が正月休みに間に合ったので、せっせと製造工程に励むことにします。ロッドビルディングのスタートです。

前編の企画調達編はこちら

塗装部位の決定と下処理

まずはどこを塗装するか決めます。といっても企画段階ですでに大方イメージは固まってます。

①リールシートとフードナット
今回使用するリールシートはTVSの16mmで、ブランクタッチ(グリップ部分が肉抜きされていてブランクが露出する)モデル。ブランクス外形とリールシート内径の差異はカーボンスリーブで調整、カーボンスリーブが露出することになります。
フードナットはフロントグリップを抱えるKナットとしており、シートのねじ部分とフード部分まで色付けを行います。

②バットのリールシート上部
ブランクスのバットセクションのうち、リールシートから露出する部分の1/3程度を、リールシートと同色、同柄に塗装します。
柄ってなんだ?と思いの方、そのうちわかります。

塗装範囲が決まったらそれら以外をマスキングして下処理します。
対象範囲を#600のスコッチブライトでスクラッチして足付け処理します。こうして塗装面の表面積を拡大すると同時に、塗料の定着を阻害する樹脂パーツ特有の離型剤を徹底して排除します。

リールシートおよびフードナットはシリコンオフでしっかり脱脂してから、いつも愛用しているタミヤのポリカーボ用サフェーサーを全体に薄くスプレーします。

ブランクスは塗装済みのものに上塗りするのでサフェーサーは吹かず脱脂だけして、サフェーサー処理済みリールシートと一緒に発色良化の為にラッカー系フラットホワイトでしっかりめに塗装します。

クラック塗装(下色)

塗装は黒のクラック塗装を行い、その割れ目からメタリックパープルがのぞく仕様です。これをきれいにかっこよく決めるには下色となるメタリックパープルが鮮やかに発色することが肝です。

メタリックパープルはキャンディ塗装(メタリックの下塗りをカラークリアでコートする)がとてもきれいで目立ちます。

まずはラッカー系プラカラーのホワイトメタリックで塗装し、硬化を待って同じくラッカー系プラカラーのクリアパープルとクリアピンクを調合して好みの明るさに調色したものでコートすると・・・

んー、素敵。最終的にクリアでコーティングするので艶は気にせずしっかりと色付けすることがポイントです。

クラック塗装

このセクションは割と時間との勝負のところがあり、写真は割愛します。私が使用しているクラック塗料は、下地の硬化が割合しっかり進んでいてもちゃんと割れてくれるので使用しやすいです。希釈率だけは少し気を使いますが。クラック塗料オペラート
手加減せずに一気に決めるつもりで吹くのが重要です。
すると

ばっちり決まりました。
あとはこれをウレタンクリアでコーティングしてピカピカに仕上げます。

次回は組み立て編に突入だあ!

冬眠中はロッド制作に精を出す(企画・調達編)

 コロナ禍の影響で、全国的に釣り人口が急激に増加していると噂に聞きます。
釣りという趣味の普遍性が高まるのは大いに結構なことだとは思いますが、釣り場の混雑とにわかな方々のマナーの醜悪さにはいささか辟易とせざるを得ません。みんながみんなそうであるわけはないのですが、漁業者の方々への直接的な影響度を鑑みると複雑な心境です。このまま数年が経過するとどこも自由に竿を出すことができなくなってしまいます。駐車場所の配慮とゴミの持ち帰りは最低限のマナーなんで、絶対に守ってほしいです。海と釣り場を守る意識のない人は釣りをすべきではない。本当。

この歳になると(管理人紹介に40台と書いてますが、すっかり50に足を突っ込んですでに一年が経過しようとしている)、もうね、北海道の冬は無理です。マジで。寒いから。
どんな釣果が聞こえようとも出かける気にすらなりません。雪が解けるのを黙って待つ、の一択です。

とはいえ、今年はここ十数年の中でも積雪量は随一、まだまだオンシーズンには程遠い状況で、冬眠期間は強制的に延長されそうです。

そんな時は作り物しかありません!
来るべき春に向けて、うっとりするようなタックルを準備するのだ!

~企画~

何を作るか考えるところからすでに楽しいのがロッドビルディングの魅力の一つです。

今、手持ちのタックルと活用機会がかぶらないものは・・・
大物釣り狙いのタックルばかりで隙間となってる、~40gくらいの中軽量ルアーを捌けて1~2kg程度の獲物を狩れる、地磯で使える割とパワーもあるもの。
ショアヒラメ&ショアサクラマス用はどうだろう??
自分が行く磯場は足場が高くて割と広め、ロッドのレングスには余裕が持てて飛距離が狙える。10Ftくらいなら振り回せるだろう。
よほどの大物以外はズバッと抜きあげられるパワーも欲しいので、多少粘りを残した調子のMHクラスでブランクスをSearch!
マタギの年末セールでSt.Cloixが半額じゃん!

自作するならガイドはチタン+トルザイトリング以外、選択肢なしです。
あの軽さと糸抜けのよさ、トラブルフリーな使用感は外せません。
ただ今回はライトジギング&キャスティングなのでシングルフットにしてコストダウンを図ります。

せっかくのライト向けロッドなので軽量化優先、最近手首の調子が悪く、握力も落ちてるので(汗)グリップは細身の16mm径のTVSをDown Lockで感度重視にセッティング。

そして全身をこだわりのエアブラシ塗装で、コンセプトカラーはいつもの「キャンディパープル」で決まり!

~部材調達~

まずは部材を調達せねば。。。

マタギの年末セール、St.Croix半額(在庫限り)で調達したいとの一念で、在庫状況を確認します。
LINEで問合せ。。。9ft以上でMHクラスは全然在庫がない。。。。
せっかく送料かけて取り寄せるのだから、本当はもう少しハイグレードな物が狙いだったのですが致し方なし。SCⅢ Grade Spining/Castingシリーズの3SC96MHF2ってやつをチョイスしました。
思ったより安く済みました。(半額なので約9,000円)9’6″の2ピース、Line MAX: 17lb、Lure MAX: 1ozのモデルです。
もうちょっと強めの物が本当は良かったんですが、概してブランクス屋さんのスペック表記はちょっと厳しめに書かれているものなので、30~40gくらいのまでのルアーなら守備範囲でしょう。ショアサクラ用なのでミノーが主力になると思いますのできっと問題ないはず。
マタギではこの他、無塗装リールシート、グリップ素材、ワインディングチェックなどのメタル素材を一緒に購入して同梱してもらいます。メタル素材はその場所に合わせて細かくシルバーとパープルを織り交ぜて選択しました。

ガイドは超PayPay祭り中の量販通販店から取り寄せ。コストパフォーマンスを重視してガイドセットをチョイス。シングルフットのライトソルトルアー用のT-KLTG25H9をお取り寄せ。
このセットはトップガイドが含まれていないので別途T-KGTTT5.5Fをブランクスの先径に合わせて調達します。

~き・た・ぜ!~

なんか立派な箱にはいってきたなあ
ラベル付き。ブランクスは重厚感のあるガンメタリックで塗装済み
T2カラーも考えましたが、締まりがなくなるといやなのでシルバーにしました。

さあ、続きは塗装編だ!