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オフショア用ロッドを作ってみよう!(制作編その1)

今回のロッド制作に必要な部材には以下のようなものがあります。

  • ブランク     ・・・思ったよりも緑色
  • リールシート   ・・・無塗装、カーボンチューブなし
  • インナーカーボンチューブ
  • フロントグリップ ・・・ジャストエース製
  • リアグリップ
  • エンドキャップ  ・・・ここだけシルバーの12角リング
  • リング&ワインディングチェック ・・・ガンメタで統一

ブランク塗装

カタログには色が「Mad Olive Drab」となっていたのでまさかとは思っていましたが、かなりの緑色。またなかなかの先調子で硬め。マタギのカタログスペックは総じて弱めな表記なようです。

なのでもう塗装してしまうことを決意しました。

Fujiのマニュアルに載っているゴム板を使用したどぶ漬け塗装はブランクのテーパーがきついと無理なのでスプレー塗装することにしました。

地色はホームセンターで自動車ボディー塗装用のラッカー缶スプレー(ほとんど黒に見えるダークブルーメタリック)をチョイス。もともと塗装済みなので、中目のサンディングスポンジで足付けしたうえで直接スプレーします。硬化後、バットジョイント部分にワンポイントでキャンディピンクの帯を入れる為、マスキング後にプラモデル用ラッカー系ホワイトサーフェイサー → Mrカラーのシャインメタリック でベース塗装 → Mrカラーのクリアピンクをエアブラシ塗装、と塗り重ね、硬化を待ちます。

レタリングを施す前に、二液性ウレタンクリアで色止め兼塗膜強化。さすが二液性ウレタン。ピッカピカになりました。  

 

リールシート塗装

まずはこちらも中目のサンディングスポンジで表面を荒らしたあと、タミヤのPP用プライマーをスプレーして足付け処理します。

重ね塗る色のパターンも何通りか試しましたが、この組み合わせがイメージ通りに決まりました。塗っては乾かし、塗っては乾かしを繰り返すこと都合10回くらいでこのくらいの発色になりました。

クラック塗装を入れてもメタリックがしっかりアピールできるよう厚めにシャインシルバーで塗装します。

ここまで来たら、いったんしっかり乾燥時間をとったうえで、クラック塗装が決まるようラッカークリアを複数回重ねてエアブラシして塗膜の厚みを加えます。

クラック塗装は下地塗装との乾燥時間の相違によるリアクションで発生するそうなので、下地層はラッカーで且つ厚くある必要があるそうです。

次回はクラック塗装に挑戦します。

オフショア用ロッドを作ってみよう!(制作編その2)

リールシート塗装(クラック塗装)

ここからは今回のロッド制作工程のこだわりの一つ、自家クラック塗装を施していきます。

今回上塗りするクラック表面を、シグナル社製の「SHOW UP Crack Paint」 のブラックを使用します。またメタリック下地をキャンディカラー仕上げとするため、クラック表面を作った後でクリアピンクを上塗りして下地を透過させ、最終的にメタリックキャンディピンクが割れ目からのぞく、という方針です。

前回までで、メタリック下地と、その表面を覆うクリア層をラッカーで塗り込んであります。これを指触乾燥状態でクラックを厚塗りすればよいそうなのですが、作業時間の関係で完全乾燥してしまったため、同じくSHOW UP Clackアジャスターを塗布して表面のクリア層を軟化させます。

3分ほど待って軟化したところで、クラックブラックを無希釈で一気に吹き付けます。

私の使用しているスプレーガンは自動車塗装用のノズル径1.0mmのものなので、エアをかなり絞ったうえで射出量を多めで躊躇なく一気吹き。色が決まるとほぼ同時にひび割れが発生します。

ちょっとアジャスター塗布から間を置きすぎたせいか、イメージより割れ目が大きくなりましたが、良しとします。

また予想に反して、クラック塗料の塗膜がかなり厚めにつくので、ひび割れ部分との段差が激しくでます。この点はこの後続くキャンディ塗装とクリアコーティングで解決する必要がありそうです。

十分に硬化時間を割いたあと、キャンディ仕上げ用のクリアピンク(プラモデル用ラッカー)をスプレーします。

ロッド側のワンポイント部分と調子がそろうよう、複数回塗り重ねて発色を調整します。

ここまで来たらあと一息。ウレタンクリアを荒吹きして塗膜厚さを確保したうえで中研ぎを入れ、クラックによる段差を解消し、仕上げクリアをスプレー、ぴかぴかに仕上げます。

レタリング

これ、センスを問われるところなのですが、ひじょーに難しい。なんせ直径16mmくらいの曲面にフリーハンドで字を書くなんて職人技ですからね。何度やっても納得の出来とはいかないのです。

これも筆入れ、ステッカー添付後にウレタンクリアでくるんでぴかぴか仕上げします。

あとは組み立て、ラッピングへと続きます。

オフショア用ロッドを作ってみよう!(制作編その3)

手間と時間のかかる塗装工程がやっと終わりましたので、組み立て工程に着手します。

工程は次のとおり

  1. グリップ、リールシート組立て
  2. バットジョイントハンドルパート(インナーパイプ)組立て
  3. バットエンド組立て
  4. バットジョイント部分のこみ調整と補強
  5. ガイドラッピングとトップガイド取り付け

では、行ってみましょう!

1.グリップ、リールシート組立て

リールシート内径とバット外径の差分はリールシート内径に合わせたカーボンパイプとアーパーテープで調整します。

これがアーパーテープ。伸びがなくて粘着力が強く、張り重ねてもずれにくいのが特徴。接着剤の足付けも良い素材です。

ハンドルブランクに等間隔に巻き重ねてカーボンパイプがガタつかずにスッポリ入るようにします。

ロッドの全長はカーボンパイプの差し込み量で調整します。リールシート位置もその差し込み量で決まってしまいますのでリアグリップの固定位置も参考にしながら、がたつくことのない様に複数個所にアーパーテープを巻いていきます。

仮組みを重ねて位置合わせを完璧に行ったうえで、リールシート、中間リング、リアグリップをカーボンパイプに二液性エポキシ接着剤で固定します。リールシートはブランクタッチタイプなので、露出部分以外のパイプ表面を軽くサンディングして足付けを良くしてから接着していきます。

ここでフロントグリップも調整しておきます。構成上、先に組み込んでおかないとジョイント部分の補強ができないためです。

フードナット一体型のグリップとなるため、長さと穴径を調整します。

接着後に前端部にワインディングチェックが付きます。

2.バットジョイントハンドルパート組立て

リールシートとリアグリップが固定されたカーボンパイプとハンドルパートをエポキシで接着し、その前方に内径をハンドルパート外形に合わせたリップスティック型ワインディングチェックを固定、フードナットを組付け、フロントグリップにワインディングチェックを接着します。

リアグリップにも後方からワインディングチェックを接着します。

ハンドル部分はこのような構成になります。

3.バットエンド組立て

バットエンドはシンプルなEVAショート砲弾型に。アクセントに12角アルミリングを挟んで、エンドキャップはバランサーを挟んでねじ込み式にできるようブランク側にメスねじの切られた六角棒をアーパーテープで直径調整したうえで接着します。バットエンド前部にはワインディングチェックを接着します。

4.バットジョイント部分のこみ調整と補強

印籠継部分はすり合わせ調整を行った後、ハンドルパート側をスレッド巻きして補強します。同時にデザイン的な飾りとワインディングチェックの固定を兼ねて数か所スレッド巻きし、エポキシ樹脂でラッピングします。

ジョイント部分の補強は必須。継部分の割れを防ぐことができます。
ここはデザイン的なアクセントですが、実はフードナットの脱落防止にも一役買ってます。
リアグリップエンドのワインディングチェックはスレッドラッピングの樹脂を少しかぶせることで引っ掛かりがなくなり、海水の侵入を防ぐことができます。
バットエンドに治具を指してフィニッシングモーターにチャッキング

5.ガイドラッピングとトップガイド取り付け

まずはガイド取付位置を仮組にて調整します。ラインを通して曲げこんだときにラインがブランクと接しないように配慮します。

今回チョイスしているのはFuji工業https://www.fujitackle.com/のLRVシリーズのセット。ヘビーソルトルアーベイトタックル用です。

トルザイトリングは薄肉なのでガイドが小型化できるメリットもあります。

Fuji工業の推奨ガイドピッチを参考に、実際にラインを通して曲げ試験の上フィックスします。

スレッディングの画像はないのですが。。。

ラッピングしていきます。

トップガイドを接着します。トップガイドはセットには含まれていないので別調達。T-KGTT6F-2.8、フランジタイプのアロワナトップガイドです。

これでほぼ完成です。

完成状態は実釣→魂入れ編でお見せします!